OC小説「何も知らなかった彗星になれたなら」前編
Game Introduction
How To Play
いつも星の図鑑ばかり読んでいた。そのせいか、誰も僕と話さなくなったし、僕も誰とも話さなくなった。いつもひとりぼっちだったけど、星の図鑑さえ読めてればそれでよかった。 僕の家には、星の図鑑はたくさんあった。知らない情報も、知ってる情報もでてきた。でも、小3のとき、どの星の図鑑を読んでも、知っている知識しか出てこなくなって、読むのに飽きてしまった。それと同時に、孤独感が押し寄せてきた。 (______星の図鑑がなくなったら、僕は本当にひとりぼっちだ) 星の図鑑を読むのは確かに楽しかったけど、もしかしたら、一部は孤独を埋めるためだったのかも知れない。 星の図鑑を読むことだけが、ひまつぶしだった。そして、楽しみだった。 (今の僕には何があるというんだ) いつも、考えては、悩んでた。 一つのことだけに熱中すると、それがなくなった途端に何もできなくなるもんだな。 そう、思って、何もかもを諦めかけた。 ____数日後______ ??「ねえ君!」 「…?」 ある日、同じクラスの女の子に話しかけられた。 ??「君はいつもひとりだね!どうかしたの?」 「…いや…別に」 明「私は明!君は?」 「僕は、星。」 明「へぇ〜!星って書いてしょうって読むんだ!」 「うん。」 明「てことはやっぱり星が好きなの?」 「まぁね」 明「私も星好きだよっ!」 「…そうなのっ?!」 明「…ふふ、やっと笑ったね」 「あっ」 僕は自分が笑ってることに気づいた。 明「君はなんの星が好き?私はベテルギウス!」 「僕は…っ!シリウス!」 明「シリウス!いいよねっ!」 「うん…!僕が好きなところはね…」 _____なんだろう。心地よくて、楽しい。まるで、星の図鑑を読んでる時みたいだ。いや、それ以上だ。なんで、もっと早く、こうできなかったんだろう。 永遠に、続けばいいのに _____でも、この幸せな日常は長くは続かなかった。 小5のとき、明が突然倒れた。 明はそのまま病院に入院した。 理由は____脳腫瘍だった。 その瞬間、目の前が真っ暗になった。 明が…死んじゃう そうなったら、僕は何を理由に生きていけばいい? 「あ…か…り…」 震える声で、僕は彼女の名前を呼んだ。 明「…星。」 「あ…あの…さ…あかり…のう…しゅよう…だって…」 明「うん。」 真っ直ぐした瞳で、明は僕の方を見た。 今は、その瞳が、とても恐ろしく思えた。 それは…まるで、死ぬことが覚悟できた目のようだったから… 「…」 明「…」 しばらく沈黙が続いた。 明「…私ね、辛くないよ」 沈黙の後、明が最初に口を開いた。 明「…死んだら星になれるんだよ。あの、大好きな星に。」 「…」 だめだよ、死んじゃ、だめだ、そう言いたかったのに、本当に、安らかな目で、言ったから、何も言えなかった。 それから、僕は毎日病院に通って、明と話をした。 日に日にやつれていく明を見るのは辛かったが、会えないよりはマシだった。 それから、数ヶ月後。 明「私、明後日手術受けることになったの。」 「そ、か。」 明「心配しなくていいよ。絶対成功するから。」 「…うん。」 明は、明るい声で言ったが、少し、声が震えていた。 _____次回へ続く
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rino3514
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