【小説】僕の戦争と青い兵器 第四話 ドラえもん二次創作
Game Introduction
「のび太、ターゲット6番、3秒以内に撃て」 「……撃てる。撃てるな?」 先生の声が響いたその瞬間。 僕はすでに引き金を引いていた。 「命中。判定クリティカル。反応速度、1.4秒。……異常なし」 教官の声に、先生が小さく頷く。 「――野比、お前の撃ち方は、やはり常軌を逸している。早撃ちも命中精度も、軍の記録に照らして“異常”だ」 あれから一ヶ月。 僕たちは「対猫特殊戦闘部隊」の新兵として、地獄のような訓練を受けていた。 最初の一週間は基礎体力の徹底強化。 毎朝5時から始まるランニング。 鉄パイプを担いでの坂道ダッシュ。 ロープ登り、土嚢運び、懸垂100回。 そして個別の得意科目のさらなる成長。 先生は一切手加減しなかった。 むしろ、かつての生徒だからこそ、厳しく育てようとしていたのかもしれない。 「走れスネ夫、女の子にも負ける気か!」 「静香、腕立て伏せが苦手なら、その分脳でカバーしろ!」 「武、お前はその体格を“武器”として自覚しろ!」 その声に応えるように、みんなも変わっていった。 ジャイアンは、トレーナー顔負けの筋肉と反射で近接格闘術を仕上げていった。 全身の動きが洗練されていくたび、先生も「まるで戦場の熊だな」と唸るほど。 スネ夫はすべてにおいて平均以上。 俊敏さ、射撃、判断力。どれも飛び抜けてはいないが、決してミスをしない。 何より、戦場で仲間に声をかけ、場をまとめる力が抜群だった。 静香は苦しんでいた。 体力も、射撃も、最初はチームで一番劣っていた。 でも、彼女の“見る目”は別だった。 ドローンカメラの映像、地図、風の流れ――すべてを把握して、 「この角度で進めば敵から見えない」 「このタイミングでスモークを投げて」 と冷静に指示を出す。 先生は静かに言った。 「……あの子は、タケコプターで空を飛んでいたあの頃の感覚を、無意識に戦術に昇華している。彼女の戦闘IQは……ぶっちぎりだ」 そして、僕は―― 射撃訓練ではほぼすべての的を一発で撃ち抜いた。 加えて、照準時間が異様に短い。 いわゆる“早撃ち”。しかも正確無比。 「野比、お前の仕事は火力支援だ。最前線には出るな」 「だが、お前が後方で支えている限り、全員が前に出られる。お前の生存率は、極めて高い」 先生はそう言って、僕にスナイパー装備を与えた。 “観測手”に静香。 “陽動”にジャイアンとスネ夫。 “狙撃手”に僕。 僕たちは、それぞれの持ち味を見つけていった。 そして一ヶ月が過ぎたある日。 先生は新たな訓練を命じた。 「今日の任務は、“実戦”。舞台は学校裏の裏山」 「そこに配置された戦闘AIロボット6体を、連携して撃破せよ」 裏山。 昔、かくれんぼをしたり、秘密基地を作ったりしたあの場所。 その地形を今、僕たちは命を懸けて使う。 戦闘は順調だった。 偵察担当のスネ夫が位置を割り出し、静香がルートを指示、 ジャイアンが飛び出して引きつける間に、僕が狙撃で仕留める。 「よし、あと2体!」 だが、その時―― 静香の声が止まった。 「……待って。音が、違う」 「レールガンの予備振動に似てる……」 その瞬間、空気が震えた。 ――ズオオオオオォォォン!!! 空気を裂き、山肌を焼き、光の槍が突き抜ける。 1本のレールガン光線が、裏山に放たれた。 「伏せろォォ!!」 地面が抉れ、土が舞い、訓練用AIロボットの1体が跡形もなく吹き飛んだ。 視界が揺れる。 「な、何だ今の……訓練に、あんな火力……っ」 誰もが混乱していた。 だが―― 煙の向こう。崩れた木々の隙間に立っていた。 ――青い巨体。白い腕。腹部にスリット状の発光。 眼光のように鋭いセンサー。 それは確かに、 ドラえもんだった。 「目視確認……ドラえもん、だと!?」 先生が通信を通して叫んだ。 「なぜここに……ここは完全な訓練区域だ!なぜルートがバレている!?」 静香が冷静に呟いた。 「たぶん……私たちの訓練を、ずっと“監視”されていた」 スネ夫が拳を握る。 「俺たちが戦えるようになった今、それを――試しに来たんだ」 ジャイアンがゆっくりと拳を構える。 「上等だよ、ドラえもん。どんだけ強くなってても、オレは――!」 「お前たち、行けるな?何かあったらすぐに撤退だ。」 先生が言った。 僕たちは、すぐに戦闘体制に入った。 訓練は終了。これはもう、実戦だった。 ――ドラえもん。 僕たちが戦うべき相手。 かつて、隣にいた友達。 そして、僕たちの訓練はもう、“過去”になった。 「さあ、行こう。責任は、彼を発明した僕達軍隊にある。 ーーー続く
How To Play
概要欄見てね 予告トレーラー:https://scratch.mit.edu/projects/1196140771/ 1話:https://scratch.mit.edu/projects/1196376111/ 2話:https://scratch.mit.edu/projects/1196378868/ 3話:https://scratch.mit.edu/projects/1196394727/ 4話:https://scratch.mit.edu/projects/1196403447/ 5話:https://scratch.mit.edu/projects/1196529831 6話:https://scratch.mit.edu/projects/1196591459/
Author
Negitoro-Samurai
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Game Information
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