【小説】僕の戦争と青い兵器 第十六話 +外伝 ドラえもん&クレヨンしんちゃん&サザエさん二次創作
Game Introduction
午後三時、都心からやや離れた住宅街。 その裏手に広がる、工事予定地のような雑木林の一角で――カツオたちは、息を切らして走っていた。 「……姉さん! 早く!」 カツオの声が荒れる。 その手には四次元ポケットがしっかりと握られていた。 「ちょ、ちょっと待ってよカツオ……! 足がもつれちゃう……!」 サザエもまた、汗まみれの顔で必死に走っていた。 ワカメも無言でついてくる。その目は鋭く、常に後方を確認している。 背後からは、無数の足音と怒声。 「いたぞ! 磯野家だ!!」 「懸賞金は100万だぞ、逃がすな!!」 「生け捕りでもいいんだろ!? 早くしろ!」 金目当ての群衆が、叫びながら追いすがってくる。 「……もう無理だよ……!」ワカメが歯を食いしばる。 だがその時―― カツオの視界に、鉄条網と警告看板が目に入った。 《関係者以外立入禁止》 「……あそこだ!」 カツオが叫ぶ。 「姉さん! ワカメ! あの中に逃げ込むんだ!!」 「えっ……!? でも――」 「迷ってるヒマなんてないよ!!」 荒れた土手を一気に駆け上がると、フェンスの一部が壊れていた。 カツオはそこに身を滑り込ませる。 サザエとワカメも、それに続いた。 「――見失ったぞ!!」 「くそっ、あいつらどこへ!?」 「……立入禁止区域かよ……やめとこ。ヤバそうだし……」 ざわめきが遠ざかっていく。 カツオたちはようやく足を止め、荒い呼吸を繰り返す。 そして、その先に見たものは―― 巨大な倉庫のような建物と、その外壁に記された黒い文字。 《対猫特殊戦闘部隊 日本支部》 「……なんだ、これ……?」 ワカメが呟く。 カツオは無言のまま、扉に手をかけた。 ギィィ―― 重たい音を立てて、鉄扉が開いた。 中は、暗く、ひんやりとした空気に包まれていた。 その空間に、一歩ずつ足を踏み入れていく三人。 まるで――異世界に迷い込んだような、不気味な静けさが、彼らを迎えた。 ─── その頃、基地内の食堂。 ひとつのタブレット画面を、ふたりが覗き込んでいた。 「風間くん! 見て見て!」 ネネが声をあげる。 「この人、飛んでる! 頭にヘリコプターみたいなのがついてる!」 「うわぁ……ほんとだ……これって編集なのかな……?」 風間が目を細めながら再生バーを戻す。 その近くで、のび太がボーッと歩いていたが、ふとその言葉に反応した。 「……ヘリコプター?」 タブレットの画面を覗き込む。 「……ちょっと、それ見せて!?」 ネネが画面を向ける。 のび太は一瞬、目を見開いた。 「……これ……タケコプター!? でも、なんで……」 驚きと困惑が入り混じった表情で、彼はしばらく無言になる。 のび太はタケコプターの存在を思い出したが、それが今ここにある理由がわからない。 「先生に、聞いてみよう……もしかしたら、何か知ってるかもしれない……!」 のび太は駆け出した。 「先生っ!!大変です!」 のび太が先生の部屋に駆け込むと、先生がたくさんの人と話しているのを目撃した。 「…おお、野比君。今は少し忙しくてね…今は磯野家の皆さんがお越しに…」 「先生!その人たちと話させてください!!」 ーーーーーーーーーー外伝ーーーーーーーーーーーーー とある休日の午後。静かな基地の食堂にて、のび太が暇を持て余していた。 「ねぇ、最近ちょっとピリピリしすぎじゃない?たまには気晴らしした方がいいと思うなあ…」 のび太がつぶやく 「分かるわ… せっかく訓練も会議もない日なのに、何もしないのもよくないわよね…」 「俺も暇だ…」 そこへスネ夫が背筋を伸ばして登場する。 「実はさ、僕、秘密裏に“癒やしキャンプ計画”を立ててたんだよね!みんなで外に出て、ちょっとした野営なんてどう?」 「お、いいじゃん!俺、テント張るの得意だぜ!」とジャイアンが笑いながら大きな袋を背負って現れる。 「いいわね、そういうの」と静香もにっこり。 こうして、四人は基地近くの森へと小さなキャンプに出かけることになった。 森の中は静かで穏やかだった。のび太は川で魚を追いかけ、静香は花を摘み、スネ夫は最新のアウトドアグッズを自慢しまくり、ジャイアンは……大量の食材を抱えていた。 「みんな!魚を捕まえ… あぁ!!」 魚がのび太の手から滑り落ちる。 「見て!このお花、すごく綺麗!」 「今夜は俺の特製シチュー、ふるまってやるからな!」 「あっ……それって、まさか……」スネ夫の顔が一瞬曇った。 日も暮れ、たき火の周りに椅子を並べ、まるで昔に戻ったように、和やかな空気が流れる。 「さあ、夜食だ!」 「いただきまーす!」 そう言って、ジャイアンが鍋からシチューをよそう。 「ジャイアン!ごめん!僕、お腹いっぱいだ…!」 のび太がいうが、 「はぁ?まだ食べ始めるばかりだろ?」 ジャイアンが言う。 正論だ。ド正論だ。しかしシチューを食べたら、特殊部隊に入隊したのび太たちでも胃袋が持たないだろう。 「まあ、大きくなったし味は… すごい毒々しい紫色だけど…」 「ちょっと僕トイレに…」 スネ夫が逃げる。 「あぁーっ!!」 こうして、みんなが食べ始めると、 「……うっ……」「これ、シチューか?兵器じゃない!?」 味の説明は不要だった。ただの野菜スープではない。粘土のような舌触り、ケミカルな匂い、なぜか発光する液体。 「……でもジャイアン、頑張って作ったんだよね……?」のび太が涙目で言う。 「お、おう!俺なりに“全部入れればうまくなる理論”でな!」 「……せめて、今度は“レシピ”ってものを読もうね」と静香。 「ま、まあ……こういうハプニングも、キャンプの醍醐味……かな!」スネ夫が笑いながら、鍋にフタをそっと閉じた。 「食べてないスネ夫が言うな!」 のび太が叫ぶ ――こうして、一夜の楽しい(?)キャンプは幕を閉じた。
How To Play
外伝ストーリー付き ※扉絵は風間君 描くの難しかった
Author
Negitoro-Samurai
Category
Game Information
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